人口知能(AI)

人型ロボット開発競争が再燃

機械学習などの人工知能(AI)技術の進展を背景に、二足歩行人型ロボットの開発に第二のウェーブが押し寄せ、現在アメリカや中国などの海外企業がリードしている。

日本では2000年前後に二足歩行人型ロボットの開発が盛り上がり、ホンダ社の「ASIMO(アシモ)」やソニー社の「QRIO(キュリオ)」などが登場した。そのままロボット開発の先駆者としての地位を維持するかと思いきや、ロボットの二足歩行に実用的な用途を見いだせず、川崎重工業以外、当時のほとんどの国内企業は開発から撤退してしまった。

AI 人型ロボットを開発する注目アメリカ企業三社

2024年12月初旬、米テスラ社が国内初展示となる人型ロボット「Tesla Optimus Gen 3(テスラ・オプティマス)」のモックアップ(模型)をさいたま市の直営店で展示を始めたとニュースになっていた。

2024年10月10日にテスラ社が「We, Robot」というイベントで数台のアップグレードされたオプティマスを披露した。何かと最近注目を浴びるテスラ社CEOイーロンマスク。SpaceXの宇宙開発に次ぎAI人型ロボット分野でも先駆者としての地位を確立しつつある。ショーケースで優雅に踊るオプティマス、バーでビールをつぐオプティマス、人込みの中を歩行するオプティマスなど衝撃的は光景だ。マスクはオプティマスを人間の「アシスタント」と位置づけ、2026年に発売予定、価格はUS$20,000-US$30,000と言うことだ。

将来的に、マスクはオプティマスは地球で人間の人口を上回り、さらには火星でもそうなるだろうと信じている。

出典:テスラ社

1992年にマサチューセッツ工科大学(MIT)からロボットと人工知能を研究していたマーク・レイバートによってスピンアウトし設立された、ボストン・ダイナミクス。グーグル、ソフトバンクグループ、そして最終的に2020年3月現代自動車グループの傘下になるという波瀾万丈な経緯を辿ってきました。

ボストン・ダイナミクスは人型ロボットだけではなく視察、倉庫オートメーション、レスキュー活動などの分野で様々なロボットを研究開発してきています。

旧型アトラスで使われていた時代遅れの油圧機構は廃止され、電動のアクチュエーターに置き換えられたという「アトラス」。オプティマス、フィギュアの人間のような動きと比較すると、アトラスの動きはまさに自在に旋回したり回転したりするロボットそのまま。多少不気味は感じがしないでもない。

出典:ボストンダイナミクス社

NVIDIA、マイクロソフト、アマゾンから資本を調達し、さらにOpenAIと人型ロボット用の生成AIを共同で開発しているフィギュアAI。労働不足問題を解決するロボットを開発するという企業理念の達成するため、BMWと協業し製造ラインで活躍できるようAI人型ロボット「フィギュア02」を開発している。

ビデオを見る限りでは、オプティマス、アトラスに比べると、音声認識、作業動作の面で優れているように思える。

ボストンダイナミクスやテスラのような高いブランド認識度はないが、フィギュアAIの人型ロボットは今後益々注目を集めることだろう。

出典:フィギュアAI社